『葬儀の後は』~ご遺骨(お骨)の扱いについて~

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皆さん、こんにちは。

季節の移り変わりも急速にスピードを上げ、春の足音も随分と強く感じる今日この頃ですね。前回のブログにも書かせて頂きましたが、ちょうどお彼岸の時季でもあり、祝日もあるので、この機会に衣替えなども考えていらっしゃる方も多いかなと思います。

道路脇の雪も溶け、その下から草木の新芽の緑色が見えてきます。約半年近く、冷たい雪の下でじっと耐え、念願の春を迎え一気に芽吹く、この時季が私は一番好きなんですよね。草木の生命力に驚くとともに、じっと耐えた後だからこその色鮮やかな新芽の緑色。毎日をボケ~っと生きている(笑)私も見習う事があるなぁ、なんて考えちゃいますね。

今回のブログでは、人が亡くなり、多くは葬儀が執り行われた後に火葬場で荼毘に付されお骨となるわけですが、そのお骨をどう管理するのか、また昨今故人の遺言等で流行の兆しも見せている「散骨」などについて、あくまでも簡単に、その一部とはなりますが考えていきたいと思っています!

1.葬儀の後は…

現代の日本においては、『火葬』が最も一般的な葬法となっています。その歴史を簡単に見てみると、縄文時代の遺跡からも火葬骨が出土されているそうですよ。一般的には火葬の習俗は天皇や貴族、豪族などの上層階級から広がっていったそうですが、万葉集にも短歌として詠まれています。柿本人麻呂が詠んだ歌には、『隠口の 泊瀬の山の 山際に いさよふ雲は 妹にかもあらむ』という歌で、最愛の人を送る、最後の別れの煙が「いさよふ雲」であり、それはとりもなおさず妹であると認識できるのだ、と歌われています。万葉人特有の優しさが感じられるようですね。

庶民にとっては、明治時代に入るまでは土葬(遺体を棺桶に収めて土中に埋める)の方が多かったとのことで、今思えば驚きです。その第一の理由としては、価格の問題があり土葬の方が安上がりだったからと言われています。遺体という物質を焼骨に変えるまで燃やすには、当時は生活必需品として貴重だった「薪」を大量に用いる必要があり、また効率よく焼くためには高度で専門的な技術が求められるため、火葬は費用がかかる葬儀様式であったと言われています。

その後、明治政府は宗教的視点を排して、公衆衛生的観点から火葬を扱うようになりました。伝染病死体の火葬義務化に加えて、土葬用墓地の新設や拡張に厳しい規制を掛けたりし、人口密集度の高い地域には土葬禁止区域を設けるなどの政策を取ったそうです。

時代は大正へと変わり、地方公共団体が火葬上設営に積極的になり、土葬より火葬の方が掛かる費用や人手が少なくなった事もあり火葬が飛躍的に普及し、現在ではほぼ100%の火葬率のようです。

2.お骨の保管方法・場所など

 火葬後、遺骨は一旦自宅に帰って祭壇に飾られます。四十九日が過ぎたら寺院や霊園に納骨して、位牌を仏壇に置いてひと段落、という形が一般的かと思いますが、納骨をせずにそのまま自宅に遺骨を安置する方もいらっしゃるようです。ここでは、自宅での保管を検討中の方に遺骨の扱い方、供養の方法、保管方法などを簡単にはなりますが、解説させて頂きたいと思います。

遺骨とは

 人は亡くなった後、火葬場で火葬されますが、その後に残った骨が『遺骨』です。火葬後には遺骨を「骨壷」という入れ物に移します。この行為を「骨上げ」あるいは「収骨」と呼んでいます。遺骨は一旦自宅に安置され、四十九日が過ぎるころ、お墓や納骨堂に納骨されることが一般的です。

ちなみに、遺骨をどこに収めるかについては「墓地埋葬法」という法律があり、決められた場所以外で埋葬することはできません。この法律は次のように定められています。

墓地、埋葬等に関する法律

第1条 この法律は、墓地、納骨堂、又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない。

 極端な例とはなりますが、自宅の庭にとても愛着のあったおじいちゃんが亡くなったとしましょうか。火葬後の遺骨を、故人が大きな愛着を持っていたからといって自宅の庭に埋めてしまうのは違反行為で罰則の対象にもなってしまいます。しかし、遺骨を埋葬せず自宅に安置しておくことは、違法ではありません。では、家庭内において、遺骨はどこに置けば良いのでしょうか。その場所、保管の際に注意する点をまとめてみたいと思いますね!

仏間や仏壇に遺骨を置く

 仏間や仏壇がある家なら、そのスペースに遺骨を置きます。最近では遺骨を置くことを最初から想定して設計された仏壇もあるようです。しかし、仏壇は本来、信仰の対象でもある御本尊を祀るものですから、遺骨を仏壇に置くことは余り適切ではないと言われています。

自宅で保管する際の注意点

 湿気のある場所には置かない事→長期間に渡って保管する際に、注意しなければならないのが「カビ」の発生です。火葬の際には800~1200度の高温で焼かれるために、遺骨はほぼ無菌状態でありカビの発生率も低いのですが、自宅で保管する場所によってはカビが発生する可能性があります。絶対に置いてはいけないのが、湿気のある台所や風呂場などの「水回り付近」です。骨壷は密閉されているようようでも、実はフタと器の間に隙間があり、そこから水分を含んだ外気が入り込む可能性があります。もしカビが発生したらもう一度、熱で焼くしかありませんので湿気のある場所には置かないようにしましょう。

自宅にいつまで保管するのか?

 故人と親しい家族なら、ずっとそばに置いておきたい気持ちは良くわかりますよね。しかし、葬儀後も故人と関わっていくのは何も家族だけではありません。親戚や知人などもお参りに来るので周囲との関わり合いも大切です。個人的にずっと保管したい気持ちが強くても、「遺骨は土に還すものでは…」あるいは「納骨しないと故人が安心して成仏できないのでは…」という親戚からの意見もあるでしょう。また、自宅の仏壇にお参りに来る来客でも、故人の遺骨をいつまでも自宅に置いておくことに抵抗を覚える方もいるかもしれません。

遺骨を自宅で保管する「手元供養」の考え方は、徐々に広がりを見せつつありますが、世間で一般的に浸透しているわけではありません。もし手元供養を続けたいなら「自宅のどこに保管するのか?」「将来的に誰が管理を引き継ぐのか?」などについて、家族や親戚の間で話し合うことが大切なのかなぁ、と思います。

3.散骨の新しい流れ

『散骨』とは、遺体を火葬して遺骨となったものを粉骨して粉状になったものを故人の思い入れのあった場所などに撒くことを指します。粉状とは遺骨を2ミリ以下のパウダー状にするのが一般的です。もしきちんと粉骨しなかった場合には、まだ遺骨とみなされて刑法190条(死体損壊等)に抵触する恐れがあります。刑法190条には「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以上の懲役に処する」とあります。そのため粉骨は専門業者に依頼するのが一般的になっています。

以下は散骨の例となっています。

★樹木葬

霊園や墓地の敷地や、自然の山や木や草花の下に遺骨を埋葬する事です。遺骨をそのまま埋めるのであれば散骨ではなく埋葬になりますが、粉骨や遺灰を撒く場合は散骨の一部とみなされます。

★海洋散骨

お墓の形や埋葬方法が多様化する中で、新しい供養の形として人気を集めているのが海洋散骨です。遺骨はお墓に埋葬することが法律で定められているのに、海に散骨するのは違法ではないのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。しかし国は、散骨に関して「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない。」としているため、違法ではないというのが見解です。海洋散骨は、陸地から離れた海域で行わなければならないため、船で散骨ポイントまで行き、お別れのセレモニーを行うという特徴があります。広大な海に手を合わせれば、どこにいても故人を偲ぶことができる点も魅力です。

★宇宙葬

1997年にアメリカで始まった宇宙葬ですが、その規模は現在も拡大しています。遺灰を納めたカプセルをロケットあるいは人工衛星に搭載し打ち上げるものですが、何といっても費用がネックとなっており、一般庶民にはまだまだ遠い存在かと思っています。

3.まとめ

今回はご遺骨の扱いについて簡単ではありますが調べてみました!
そして最後になりますが、過去の不幸な戦争により海外で戦死した方のご遺骨が、まだ約112万体も未収用になっているそうです。(令和3年12月末時点)
西はインドから北は旧ソ連領内、東は樺太・千島列島、南はパプアニューギニアを中心とする南太平洋諸国。これらの国々にまだ多くの英霊が収容されていません。
時期もちょうどお彼岸です。自分のご先祖様に加えて、これらの海外戦没者の方々にも気持ちを手向けたいものですね。


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