『白装束』と『死装束』

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 ブログをご覧の皆さん、こんにちは!
春満開!と、言いたいところですが、日によっては上着が要らない位に温かい日があったり、また反対にミゾレ混じりの雨が降り、寒くてまだストーブが必要等、安定しない天候が続いていますね。
気温の変化で体調を崩されたりしていませんか?

 また、最近は黄砂も度々降って来て、特に車をお持ちの方は、朝の出勤時にボンネットやフロントガラスに付いた汚れに驚かされる事も多いのではないでしょうか?この黄砂とは、中国大陸の内陸部にあるタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠あたりの砂が強風によって数千メートルの高さまで巻き上げられたものが偏西風に乗って日本まで飛来するみたいです。黄砂が上空を飛んで来る過程で、大気汚染物質の発生が多い地域も通過しますので、これら汚染物質が混じっている場合もあるために、単なる「汚れ」だとは思わない方が良さそうですね。

 そして春といえば『花粉症』の時期でもあります。北海道では道南の一部にしか杉の木はありませんのでスギ花粉の影響はほぼゼロですが、シラカバやハンノキの花粉アレルギーに悩む方が多いようですね。マスク着用に関するルールも5月13日を境に徐々に緩和されて来ていますが、黄砂の影響や花粉アレルギーの方々にとっては、まだまだマスクを外す事に抵抗がある方も多いのではないでしょうか。

 さて、今回のブログのテーマは『白装束(しろしょうぞく)』『死装束(しにしょうぞく)』についてです。亡くなった方が白い着物を着ているのを見た事がある方も多いことでしょう。『死装束(しにしょうぞく)』とも呼ぶ場合もありますが、細かく分類すると別物になるようです。今回はその辺りを含め、いつもながら簡単ではありますが説明させて頂きます!是非、最後までご覧ください!

1.白装束と死装束

白装束とは?

 白装束には「白色の衣装」という意味があります。葬儀のみで使用する言葉ではなく、結婚式で着る白無垢なども白装束の一種です。葬儀にて故人に白装束を着用させるのは、お遍路で着る巡礼服が由来とされていて、お坊さんが悟りを開く旅(お遍路)と、死後の旅は同じという考えから故人も白装束を着るようになったというのが一説です。

死装束とは?

 死装束は故人に着せる衣装全般を指します。良く時代劇などで三角の布を頭につけて、白い着物を着た幽霊を目にすることがあると思いますが、あの服装が死装束です。
死装束って多くの人が「白」を連想しますよね?あれは日本の古来からの思想が関係すると言われていて、日本における「白」は「死」を意味しており、生前の穢れを無くして死後の世界へ旅立てるようにと願いを込めることから、死装束として白色の衣装が選ばれるようになったんだとか。
しかし、死装束は必ずしも白でなければいけない!と、いうことはありません。宗教・宗派によっては、ピンクや水色をはじめとした白以外の色の衣装を着せることもあります。現代の死装束は、白以外にも色つきの浴衣、故人が生前お気に入りだった洋服など選択肢も幅広いのが特徴ですね!

白装束と死装束の違い

 よく、「白装束=死装束」だと思われがちですが、前述した通り「白装束=白色の衣装」「死装束=故人に着せる着物」と、それぞれ意味が異なります。ただ葬儀の場では故人が身につける白い衣装を「白装束」「死装束」どちらで呼んでも間違いにはなりません。
 細かな意味の違いを知っておくと誤った使い方を避けられます。この機会に是非、正しい意味を覚えていきましょう!

2.なんで故人には白装束を着せるの?

 故人に白装束を着せるのは、お遍路と死後の旅を同じものとする考えによると言われています。
この他、白色の持つ仏教的な意味、また白色と対照的な「紅色」との関係も、 死装束を白装束にする理由のひとつとされています。下記では色の意味について少し詳しく書いていこうと思います。

白色との関係性

 仏教では白色を「穢れの無い色」、つまり清浄や純粋を意味する色としています。葬儀と対照的な慶事である結婚式で白無垢を着るのも、花嫁の穢れ無い純粋な姿を表すためです。葬儀では生前の穢れを無くし清らかな状態で浄土に旅経つ事を願い白無垢を着せます。

紅色との関係性

 日本では古くから「紅白」という色を重要視して来ました。この「紅白」の組み合わせも亡くなった方に白無垢を着せるうえで欠かせないポイントです。紅白の紅は「赤ちゃん」「赤子」の「赤(紅)」から生命の誕生や「生」を表します。その対極となる白には「死」を表す意味があると考えられており、これも「死者は白いものを身につける」理由のひとつだと言われています。

3.死装束の着せ方

 一般的な死装束は着物ですが、生きている方の着付けの方法とはやや異なる部分があるために注意が必要です。ここからは宗教別に死装束の着せ方を紹介します。

仏教の着せ方

 仏教での死装束の着せ方は「左前」での着付けが基本となっています。仏教の「死装束」は、お遍路の「白装束」つまり修行僧の衣装と同じです。白装束といっても白無地のものの他、お経が書いてあるものもあるので、ご遺族がどちらの衣装にするかを決定します。経帷子(きょうかたびら)と呼ばれる裏地の無い白の着物は、通常とは異なる左前で着付けて帯を締めるのが基本です。これは、現世と浄土が逆さまである事に由来します。着物の他に身に付けたり持ったりするアイテムは以下の通りとなっています。

・笠(かさ) → 頭にかぶる笠。日差しや雨から故人を守る

・脚絆(きゃはん) → 脛の部分に当てる布。脛を守ったり、足の疲労を軽減させたりする。

・白足袋と草履 → 浄土までの道程を歩き切るために欠かせないアイテム。草履は足に密着するために歩きやすい。

・手甲 → 手の甲に付ける布。汗を拭ったり、日光から手を守ったりする。

・三角頭巾 → 冠から由来するという説もあり、閻魔様に失礼のないよう付ける説もあるそうです。

・杖 → 疲れても倒れず浄土へ無事にたどり着けるように持つ。

・頭陀袋(ずたぶくろ) → 首からぶら下げる袋。経典やお布施の小物を入れる。

・六文銭 → 三途の川を渡るのに必要なお金。現代ではお金を燃やせないために紙に印刷したものを使用する。

結構身に着けるものが多くてビックリしました!着る方も着せる方もなかなかの大変さですね(苦笑)

神道の着せ方

 「神衣(かむい)」と呼ばれる神道の死装束最大の特徴は、性別によって衣装が異なる点にあります。男性は「狩衣(かりぎぬ)」という平安時代の貴族が狩りで着ていた衣装を身につけ、烏帽子(えぼし)と笏(しゃく)を持ちます。
 女性は平安時代に高貴な方が身に付けていた「小袿(こうちぎ)」を着て、扇を持つのが基本のスタイルです。貴族の衣装を死装束とするのは、神道の「人は死後、守護霊のような上戸なり、子孫を守る」という考えに拠ります。高貴な衣装は神様のような存在となる故人にふさわしいものだと言えるでしょうね。

キリスト教の着せ方

 実はキリスト教では死装束に決まったスタイルはありません。多くの方が、生前に気に行っていた服を死装束として選びます。スーツやドレスを着せることもあり、これらを「エンディングドレス」と呼ぶのもキリスト教の特徴の一つです。日本と海外では結構な違いが表れるものだなあと私も調べてて思いました。葬儀も各国、各宗教によって派手に行われるものもあるし結構面白いと感じます(笑)

宗教別の白装束の意味合い

 各宗教ごとに故人の白装束や死装束に込められた意味や由来は異なってきます。死装束の種類や小物類が細かく決まっている仏教や神道では、故人の衣装はそれぞれどのような意味を持つのでしょうか?

仏教

 仏教では人は亡くなると浄土を目指して旅に出るとされています。ただし、同じ仏教でも浄土真宗をはじめとした一部の宗派では、「死」への考え方が異なります。浄土真宗は「人は亡くなるとすぐに仏様になれる」と考えられているため、修行の旅に出る必要がありません。こうした宗派では、死装束に白装束が選ばれない理由とされています。

神道

 神道における「死」は、神様にいただいた命を、再び神様に返すことを意味しています。故人は子孫を守ってくれる守護霊になると言われており、仏教のような浄土の旅、という考えはありません。
 神道の死装束は、神社に務める方のようなものをイメージして良いと思います。平安時代の高貴な方の衣装を採用した死装束は、まさに神様という存在にふさわしい装いだといえますね。

まとめ

 今回のブログはここまでとなります!どうだったでしょうか?故人が葬儀で着る衣装を「死装束」、仏教においては「白装束」が基本で、神道やキリスト教をはじめ、その他の宗教や仏教の一部宗派では異なる衣装が選ばれている事がなんとなくわかったのではないでしょうか?宗教・宗派ごとの死装束のスタイルがあるので、ご自身やご家族の葬儀の死装束は、宗派や考えに合わせて検討する事をオススメします。葬儀で着たい衣装がある際には、以前このブログで紹介したエンディングノートに記しておくと、ご遺族がその意向を汲み取りやすくなると思いますよ!
 簡単ではありますが、白装束・死装束・その着せ方・持たせる物、等について説明させて頂きました。死装束は、亡くなられた方の最後の姿を整えるために用意された衣装です。故人の最後の姿として、遺された方々にとっても深く記憶されるものかもしれませんね。



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